大規模改修は、工事中の騒音や建材の臭いなどが原因で、トラブルに発展してしまうケースもありますので、入居者の皆様や近隣の住民の方々にしっかりと配慮しながら工事を実施することが大切です。
クレームやトラブルを防ぐためにも、事前に案内文を作成し入居社や近隣の住民の方々に説明を行います。このような案内文(挨拶状)の作成は、担当する会社が行いますが、どのような説明をするのかを知っておいて損はありません。
そこでこのページでは、大規模改修を行う際の案内文の重要性や基本的な記載項目について説明いたします。
工事を行う際には、入居者や近隣の住民の方へ工事の説明を行うための挨拶まわりを行う必要がありますが、その際にご挨拶先の皆様にお渡しするのが案内文です。
大規模改修の案内文は基本的に施工業者や工事担当者が作成し、手土産を持参して挨拶に伺います。
大規模改修工事には、足場設置や高圧洗浄など作業音がどうしても発生してしまいます。このような騒音は小さなお子様やペットのいるご家庭では、特に影響を受けてしまいます。
また、工事中は足場の上で作業を行なったり、バルコニーやベランダに直接降りて作業をする際に、窓から部屋の中が見えてしまうこともあるので、入居者の皆様にはカーテンを閉めていただくなどの個人的な対策をお願いしなければなりません。
そのため、事前に入居者の皆様や近隣の住民の方々に大規模改修工事について、説明するなどの準備が必要となります。
大規模改修工事の挨拶は、1週間〜10日前を目安に、着工前に必ず行います。マンションなどのエレベーター工事では、エレベーターの利用が制限されるため、入居者の皆様へなるべく早めにお知らせする必要があります。
また、工事の挨拶は「施工業者のみ」もしくは、「施主と施工業者が揃って挨拶」に伺うのが一般的です。
事前に説明をしておくことで入居者の皆様や近隣の住民の方々も心構えができ、期間を把握できるだけでも工事による不安を軽減することができます。丁寧な対応がトラブルを防ぐことにもつながりますので、着工前の挨拶は時間に余裕を持って行うようにしましょう。
実際に案内文を作成する際に最低限押さえるべきポイントは、以下の5つです。
書き出しとしては、「近隣の皆様へ」や「○○マンション居住者の皆様へ」など、誰に向けた案内文かしっかりと記載しましょう。
タイトルには、「工事着工のご挨拶」や「工事着工のお知らせ」と一目見ただけで何の要件なのかが伝わるよう大きく明記しましょう。
続いては本文です。本文は一般的に、ビジネス文書に従って以下の書式に則って書くことが基本です。
前文+挨拶 | 頭語は文書の一番はじめにくる「拝啓」などの挨拶で、結語とセットで使います。また、挨拶は「拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。」など時候の挨拶を記載します。 |
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主文 | 「さて」や「つきましては」などから書き始めて「さてこの度、○○に伴い、以下の通り○○工事を実施することとなりました。」などと、工事概要が大まかに伝わるような文章を記載します。 |
末文 | 謝罪の挨拶や結びの言葉を「工事中はご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。 敬具」などと記載します。 |
工事への協力のお願いと挨拶の記載ができたら、工事の詳細や注意事項を別記にわかりやすく記載しましょう。記入例は以下の通りです。
工事名 | 「○○マンション改修工事」など |
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工事場所 | ○○市○○町○○ |
発注者 | ○○株式会社会社 |
工事期間 | ○○年○○月○○日~○○年○○月○○日予定 |
工事時間 | ○○時○○分~○○時○○分まで |
工事内容 | ・仮設工事 ※騒音、振動、埃発生 ・下地補修工事 ※騒音、振動、埃発生 ・シーリング工事 ※異臭発生 ・塗装工事 ※異臭発生、塗りたて注意 ・防水工事 ※異臭発生、バルコニー使用禁止 上記記載はあくまでも例文です。 |
最後に、お問い合わせ先として施工業者の「住所」「現場担当者」「連絡先」などの情報を記載しましょう。
マンションやアパートなどの大規模改修では、工期が数ヶ月にわたるため、入居者の皆様や近隣の住民の方々のご理解とご協力があって成り立つものです。
工事が始まってから、クレームやトラブルが起こることを未然に防止するためにも、着工前には挨拶文を作成し、工事についてしっかりと周知と説明を行うことが重要です。
大規模修繕に関して不安な点や気になることがありましたら、ぜひお気軽に弊社までお問い合わせください。